我々の日常業務において、数値や指標を確認し分析することは、現状把握や問題解決、将来の戦略立案において重要な役割を果たします。特にビジネスの世界では、これらの数値や指標を一覧で確認し、それぞれがどのような意味を持ち、どのように連動しているのかを理解することが求められます。そこで役立つのがKPIダッシュボードです。
本記事では、KPIダッシュボードの基本的な概念、活用目的とメリット、ダッシュボードの種類について解説します。また、最近注目を集めているリアル店舗のデータを可視化するAIカメラやKPIダッシュボードと、それらの活用事例についてもご紹介します。
KPIダッシュボードで自社ビジネスの現状を把握し、戦略立案を明確化・効率化するためのヒントとして、ぜひ本記事をお役立てください。
目次
KPIダッシュボードとは?
KPIダッシュボードとは、企業や組織、プロジェクトなどにおけるパフォーマンス状況を一覧に表示し、計画や目標に対する進捗具合を測定・分析・監視するための管理システムツールを指します。
そもそもKPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」を意味し、企業や組織、プロジェクトの経営目標達成に向けたパフォーマンスを定量的に評価するための尺度のことで、これをグラフやビジュアルで視覚的に表示するツールがKPIダッシュボードです。
KPIダッシュボードはリアルタイムで情報が更新されるように設計されており、ユーザーは必要なデータに即座にアクセスできます。
※KPI指標の例
売上総利益、売掛金、顧客維持率、新規顧客獲得数、マーケティング転換率、従業員定着率、市場占有率(市場シェア)、流動性比率、成長率、販売目標達成率、在庫売上比率(ISR)、在庫回転率、ウェブサイト訪問者数(実店舗の場合は入店人数)など、様々な指標があります。
KPIダッシュボードの主な目的とメリット
KPIダッシュボードの主な役割は、ビジネスの進捗やパフォーマンスを一目で把握し、経営判断や意思決定を迅速に行うための手助けをすることです。
KPIダッシュボードは、複数のKPIを一元管理し、色分け、グラフ化、チャート化することで、どの指標が目標数値を達成しているのか、または達成できていないのかを明確に示します。そのため、経営幹部や部門のマネジャー、リーダーは、ビジネス目標や戦略目標をより効果的に管理し、数値の変化に応じて迅速かつ的確な意思決定を下せるようになります。
また、KPIダッシュボードで自社のパフォーマンス状況を共有することは、従業員やスタッフメンバーのモチベーションアップにも貢献します。自身のパフォーマンスが会社全体の目標達成にどれだけ影響しているかを数字で把握することで、個々の責任感や達成感を高めることができるからです。
KPIダッシュボードの主な種類
KPIダッシュボードの種類は多岐にわたり、業界や組織の目標によって利用するものが変わります。ここでは代表的な3種類のダッシュボードについてご紹介します。
1. 財務KPIダッシュボード
収益、費用、利益率など、会社の財務状況を示す指標を可視化します。これにより、経営者や経理担当者は財務目標に対する達成状況を一目で把握することが可能となります。
2. 売上KPIダッシュボード
売上高、売上成長率、売上原価、顧客単価などの売上に関する主要指標を可視化します。売上目標の達成度や、売上に影響を与える要因を評価することができます。
3. マーケティングKPIダッシュボード
マーケティング活動の効果を測定・分析するための指標を可視化します。例えばオンラインショップの場合、ウェブサイトのトラフィック、リードの生成、コンバージョン率などのデータを分析することで、マーケティング戦略の効果を評価し、必要に応じて改善することができます。
これらのダッシュボードは、企業の業績を測定・分析し、向上させるための強力なツールとなります。組織の目標や戦略に基づいて適切なダッシュボードを選択することで、ビジネスの成長や成功につなげることができます。
リアル店舗のKPIを収集し、可視化する
業界を問わず、データ駆動型の意思決定と戦略実行はビジネスの成功に欠かせない要素となりました。リアル店舗においてもデータ収集環境の構築やKPIダッシュボードの導入が進んでいます。
実店舗の状況を可視化する場合、まずは店舗計測ツールである「AIカメラ」や「赤外線センサー」を導入し、顧客情報や行動、売上などのデータを収集します。それらをダッシュボードなどで可視化することで、経営状況を把握することができます。
AIカメラ × 店舗分析ダッシュボードの活用
エントランス付近や店内にAIカメラを設置することで、実店舗の分析に有効な様々な情報を収集できます。
例えば入店人数と店前通行量を取得した場合、見込み入店人数や店舗の混雑状況、入店率を算出でき、営業時間の調整やスタッフ配置の最適化ができます。
店内の顧客が移動する様子を動線で取得した場合は、顧客の行動パターンなどを把握し、レイアウトの改善ができます。
デモグラフィック(顧客属性)情報は、商品の入れ替えや販促活動など、ターゲットに合わせた具体的な改善策を立案することができます。
さらに、AIカメラで取得した入店人数データとPOSレジのデータを連携し、ダッシュボードに表示することで、入店一人当たりの客単価や購買率などを確認することができます。これにより、売上金額や利益率、平均購入額などの従来のシステムから得られる限られた情報では不可能であった店舗の運営状況の把握が可能になり、スタッフの接客パフォーマンスの向上や販売戦略の最適化につながります。
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リアル店舗におけるKPIダッシュボードの活用事例3選
リアル店舗の状態をデータで可視化することで、売上向上やコスト削減、リピーター増加など、様々なKPIの達成につながります。ここでは、KPIダッシュボードを活用し、企業目標の達成に成功した小売店舗の事例を3つご紹介します。
事例1. アパレル店舗のレイアウト改善
一つ目は、アパレル業界における有名ブランドの事例です。店舗内のフロアレイアウトや商品配置を最適化するために、AIカメラとKPIダッシュボードを導入しました。主に顧客の動線から抽出できるカスタマージャーニーマップやPOSレジで取得する売上関連データを収集し、それらをダッシュボード上でまとめて可視化しました。顧客の流れを理解することでVMDの改善ができ、結果、売上向上や顧客体験の向上につながりました。
事例2. 見込み入店人数と店内混雑率の把握で、業務効率化に成功
次に、飲食業界の事例を見てみましょう。某カフェチェーンでは、AIカメラとKPIダッシュボードを活用し、各店舗の混雑状況や入店人数をリアルタイムで把握し、必要に応じて適切な人数のスタッフを配置しました。これにより、適切な労働管理と効率的な店舗運営を実現し、労働コストの削減を実現しました。
事例3. 接客のベストプラクティスを測定し、店舗経営状況を改善
あるドラッグストアでは、店内にAIカメラを設置し、スタッフの接客パフォーマンスや顧客の購買動向に関する指標(購入率・平均客単価・接客した客の購入率・接客した客の平均客単価・接客回数・接客時間など)を取得し、KPIダッシュボードで接客パフォーマンスと購入の関連性について分析しました。
分析結果から購入につながる接客のベストプラクティスを積極的に採用したことで、店舗利益の増加を実現しました。
無料お試し期間あり!「coumera」でリアル店舗を可視化する
coumera(クーメラ)は、AIカメラを使ったリアル店舗の測定サービスです。
価格は税込4,900円(データ計測2,100円、機器レンタル2,800円/週)税込〜始められます。
また、電源とインターネット回線を用意し、店舗内の計測したい場所に必要な台数のAIカメラを設置するだけで利用できます。
AIカメラに搭載された自動データ集計・計測機能を活用することで、データ分析に手間取ることなく、自社の経営改善に集中することが可能です。
無料トライアル期間もありますので、AIカメラを活用した新たな店舗経営のスタイルをぜひ体感してみてください。
まとめ
本記事では、KPIダッシュボードの基礎知識、活用の目的やメリット、ダッシュボードの種類、そして最近注目されているリアル店舗のデータを可視化するAIカメラやKPIダッシュボードについて、小売店舗での活用事例とともにご紹介しました。ダッシュボードで店舗の運営状況をわかりやすく数値化することで、経営判断を迅速かつ的確に行うことができるようになります。
「coumera」は、リアル店舗の顧客属性、入店動向、店舗前通行量、販促物の視認性などの情報を取得し、自社店舗の運営をサポートします。店舗業務の効率化や経営課題解決の糸口として、AIを活用した効果的な店舗測定をぜひご体感ください。
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