システム・機能紹介

【企業向け】ラズパイ(Raspberry Pi)× カメラを使った監視システムの構築方法と導入メリット

企業におけるセキュリティ対策は、もはやコストではなく“投資”と捉えられる時代です。近年注目されているのが、ラズベリーパイ(Raspberry Pi、以下ラズパイ)とカメラを組み合わせた柔軟な監視システムの導入です。

ラズパイは低コストでありながら拡張性に優れ、複数のカメラとの連携も可能なため、スマートホームや小規模拠点から、大規模な企業や工場の監視まで幅広く対応できます。

本記事では、ラズパイとカメラを活用した効率的なセキュリティシステムの構築方法を、企業目線でご紹介します。

 

1. ラズパイとカメラを活用した監視システムとは

小規模から拠点展開まで対応可能な柔軟なセキュリティ構成

企業のセキュリティ体制強化は、今や経営戦略の一環です。

ラズパイとカメラモジュールを組み合わせることで、柔軟かつ低コストな監視システムの構築が容易になります。

複数拠点を持つ企業や夜間無人となる施設でも、独自仕様のシステムを低予算で導入できる点が大きな魅力です。

 

2. ラズパイ用カメラモジュールの種類と選び方【v3対応/赤外線・レンズの選定】

用途に応じた最適なカメラ選定が鍵

ラズパイ対応のカメラモジュールには、標準モデルのほか、赤外線対応や広角・望遠レンズ付きの製品などがあります。

とくに最新のv3モジュールは高解像度・低遅延で、ビジネス用途にも適しています。夜間用には赤外線カメラ、広範囲の監視には広角レンズなど、用途に応じた選定が重要です。

 

3. USBカメラやセンサーとの接続方法と固定のポイント

無線接続・有線接続の違いや、安定した運用に必要なカメラの固定方法とは?

USBカメラの活用も可能で、たとえば屋外の計測や監視には「防水タイプのUSBカメラとAIカメラ防犯カメラ(RTSP経由)をラズパイに連携させる」構成などが考えられます。実際、弊社のお客様でもこの構成により、コストを抑えつつ屋外での人流計測を実現されています。

また、人感センサーや開閉センサーをラズパイに接続することで、トリガー制御(※)による監視強化も可能です。

設置時には、振動や視野のブレを防ぐために、ブラケットやマウント金具などを用いた堅牢な固定と、最適な設置位置の調整が必要です。

※トリガー制御とは、ある条件イベント(例:人の接近)を満たした際に録画を開始するなど、特定の動作を自動で制御する仕組みです。

 

4. ラズパイ × PythonとOpenCVで実現するリアルタイム監視

顔認識・動体検知など、インテリジェントな映像処理をPythonで実装

PythonとOpenCVライブラリを使えば、ラズパイ上でリアルタイムの映像処理が可能になります。動体検知、顔認識、ライン通過検出などのアルゴリズムを組み込むことで、単なる映像記録(録画)を超えた“インテリジェント監視”が実現します。見守り用途では、異常検知時の即時アラート通知も可能です。

 

5. ラズパイZeroによる低コスト見守りシステムの構築

小型・省電力なZeroを活用したエッジ監視の可能性

ラズパイゼロ(Raspberry Pi Zero)は、小型・省電力ながら、基本的な監視機能を備えるには十分な性能を持ちます。

無線LANでネットワーク接続すれば、屋外設備や遠隔地での簡易見守りシステムとして活用できます。

費用対効果に優れた選択肢として、長い間、中小企業で活用されている事例も存在します。

 

6. スマホ・ネットワーク連携でどこからでも監視できる仕組みを

クラウドやVPNと組み合わせて外出先でも安全に映像を確認

スマートフォンと連携させれば、外出先からでもリアルタイムでの映像確認が可能になります。VPNを併用すれば、セキュアかつスムーズな遠隔監視が実現します。異常を検知した際にスマホへアラートを送る通知設定も可能です。

 

7. 法人利用におすすめの構成例と「できること」一覧

社内用・倉庫用・無人店舗用…用途別に柔軟なプラン設計が可能

以下は、法人ユースにおける代表的な構成例です。

  1. オフィス用:v3カメラ+顔認識+スマホ通知
  2. 倉庫用:赤外線カメラ+動体検知+無線接続
  3. 無人店舗:Zero+センサー連動+クラウド録画

各構成で可能なことは異なりますが、目的に応じて柔軟に設計できる点が、ラズパイの大きな強みです。

 

ラズパイを使用した店舗分析

ラズパイとAIカメラモジュールの組み合わせにより、監視だけでなく、来店者数のカウント行動分析といったマーケティング用途にも活用できます。

OpenCVやAIによる人物検出・滞在時間測定などが可能で、Pythonで構築したシステムは柔軟にカスタマイズでき、リアルタイム集計表示やCSV出力にも対応します。

さらに、センサーを追加することで、ドアの開閉回数や棚への陳列棚への接近回数といった物理的な行動データも取得可能です。これらのデータはローカル保存やクラウド同期ができ、スマホやPCから簡単に閲覧できます。

高画質USBカメラや赤外線レンズを使えば、屋外や暗い場所でも監視が行えます。また、外付けのUSBカメラを接続することで、イベントや屋外ブースでの人流計測にも応用できます。固定設置したカメラから得られる映像は、無線ネットワークを通じた店舗管理システムとの連携により、スタッフの配置最適化プロモーション効果の分析にも役立ちます。

ラズパイを活用することで、コストを抑えながらも高機能なソリューションを実現でき、小規模施設にも導入しやすいため、今後ますます普及が期待されるでしょう。

 

まとめ:ラズパイ × カメラ 監視システムのメリットと今後の展望

ラズパイとカメラを活用した監視システムは、コスト削減と柔軟性を両立できる新しいセキュリティソリューションです。PythonやOpenCVによる自動化、スマホ・クラウド連携など、BtoB用途にも適した機能が豊富に揃っています。

また、実店舗における顧客行動の可視化・分析など、マーケティング用途への応用も進んでいます。来店者数のカウント滞在時間の計測、動線分析顧客属性の分析などにAIカメラと一緒に活用されるケースも増えています。

弊社では、ラズパイや防犯カメラAIカメラ活用した監視や、店舗分析システムの導入支援を行っております。

システム構成の提案から、デバイス選定、設置、分析レポートまで一貫して対応いたします。無線対応カメラやレンズの選定も含め、導入環境に応じた最適なご提案が可能です。

企業のセキュリティ強化や実店舗や施設など、現場の可視化をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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