KPIの概要とその重要性
KGIはKey Goal Indicator の略で、売上目標など、企業が最終的に達成したい目標のことです。また、KPIはKey Performance Indicatorと呼ばれ、企業の目標を達成するために、定量的に評価・管理されるべき、重要業績評価指標のことです。
KGIの達成には、KPIを深堀していくことが必要な理由をご説明します。
KPIとは、企業目標を達成するために必要な、その一連のプロレスが行われる店舗のパフォーマンス(オペレーション達成)を表す指標です。
特に、現状と達成目標のギャップが大きければ大きいほど、KPIを明らかにしていくことで、目標に影響を及ぼすボトルネックを見つけ、運営・業績改善に繋げることができます。
そして、このKPIの計測に最も効果的なのが、顧客の行動パターンをデータから読み解くことができるツールとして世界中の小売業界で注目が集まっている「AIカメラ」です。
AIを搭載したセンサーカメラを活用することで、あらかじめ設定した売上に影響を及ぼす主要なKPIと、AIカメラで計測した実際の数値を比べながら、店舗の運営改善を行うことができるようになりました。
小売業の主要KPIとなる指標
小売店舗の業績を評価するためのKPIには、売上高、入店率、トラフィック(入店人数)、平均客単価(※1)、購買率などがあります。
売上高は、ビジネス全体のパフォーマンスを知ることができ、来店客数は店舗の魅力や集客力の指標となります。
また入店カウントとPOSレジのデータを連携させ、各店舗の購買率や入店人数ベースの平均客単価を算出することで、他店舗とのパフォーマンス比較が容易にできます。
どの店舗や商品、サービスが事業の主力になっているのか、あるいはどの店舗や接客パフォーマンスに改善の余地があるのかを明らかにすることができます。
※1 平均客単価は、顧客一人当たりから生み出される売上(平均取引額)のことです。顧客が1回の販売でどれだけの金額を使っているかの平均値を示します。
小売店の売上を底上げする、最も重要な3つのKPIとは?
貴社では、過去1年間に、どのような販売目標を設定しましたか? また、売上を達成するために、日々どのような取り組みを行っていますか?
ここで、「売上を構成する3つのKPI」を見てみましょう。
売上=来店客数 × 購買率 × 客単価
でできています。
- 「来店客数」:店舗を訪れた客の総数(購買客+非購買客)
- 「購買率」:購買に至った客の割合
- 「平均客単価」:来店客一人当たりの平均購入額
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RetailNextのダッシュボード – 主要KPIを表す分析グラフ
式からもわかるように、上記3つの指標が売上に直結する指標です。
3つのKPI「来店客数」「購買率」「平均客単価」を構成する要素とは?
来店する客の数は、天候やライバル店の施策などの外的要因を除けば、主にセールスプロモーションなどのマーケティング施策、店頭での呼び込みやVMDなど、エントランスの見せ方が影響しています。
また、客単価や購買率は、接客パフォーマンスによるより多くの購買機会の確保や、在庫管理の徹底、スタッフ配置の最適化が主な要因としてあげられます。
AIカメラは、顧客の来店や購買行動のパターンをもとに、店舗が抱える現状課題や今後の傾向を予測します。
例えば、入店カウントの場合、AIによるリアルタイムでの来店客数のカウントに加え、過去のデータから曜日/時間帯別の客数の予測(来店見込み人数の取得)をします。この機能により、機会損失を防ぐための効果的なスタッフ配置やスケジュール/シフト組が可能になります。

RetailNextのダッシュボード – 予測トラフィックとシフト1時間当たりの来店客数グラフ(週間)
また、POSレジのデータとAIカメラの取得データを連携して表示させることで、在庫管理の最適化や各商品の人気度やポテンシャルの把握、店舗の目標売上金額、目標購買率や客単価と、実際の売上達成金額、購買率や客単価を照会し、どこを強化すれば目標数値への達成につながるのかといった、売り場における課題点を容易に見つけることができるようになります。(※2)
店舗分析ツールからより深い洞察を得るために、GROOOVEでは以下のようなデータを取得できるツールも提供しています。
- スタッフの生産性(一人当たりの売上高、購買率、平均客単価、接客数)
- 接客により購買に至った客の割合
- ゾーンごとの接客率
- 試着率(アパレルの場合)
- 来店客の特定の商品エリアやゾーンへの興味関心度の計測(※3)
- 店舗エントランスからの顧客の方向マップ
- 来店客の個別動線(フルパスアナリティクス)による店舗全体のレイアウト分析(※4)
- リピート率(新規・リピーター割合)

RetailNextのダッシュボード – 購買率・平均客単価・スタッフの生産性・接客数(週間)
※2 GROOOVEでも取り扱っているRetailNextのダッシュボードは、パソコンやスマートフォンからリアルタイムにアクセスでき、スタッフ全員が共有した意識のもとで運用ができ、費用対効果のあるパフォーマンス向上が見込めます。
※3 該当エリア(特定の区画)における顧客の通過人数、滞留時間や立ち寄り回数を計測し、顧客が店内のどの場所に何回訪れ、どれだけの時間を過ごしたかを示します。店内レイアウトや商品ディスプレイ、商品の選定などが、購買行動にどのような影響を及ぼしているかを調べるための指標です。
※4 レイアウト分析は、VMD施策などが顧客の行動フローや購買行動にどれだけ影響を及ぼしているかを調べます。POP等の店頭広告、什器の配置や商品の見せ方、スムーズな動線を意識したレイアウトなど、顧客が購買に至る/至らない要因は多岐にわたります。
店舗分析におけるAIカメラの活用方法
小売店が店舗計測で取るべきステップ
前述では、小売店の主要KPIや、売上につながる3つの重要な指標とその構成についてご紹介しました。
ここでは、データを最大限に活用するための「AIカメラ導入後の店舗計測のステップ」をご紹介します。
- AIカメラを導入し、データ収集を開始します。
- 収集したデータを元に主要KPIを定義し、それらのパフォーマンスを中心に、継続的にデータを追跡します。
- 取得したデータから課題を抽出し、パフォーマンス改善へとつなげます。
- ターゲット市場、顧客の購買パターン、競合他社の戦略など外部環境の変化にも応じながら、定期的に自社のKPIを見直し、必要に応じて施策を調整し、データ運用を繰り返します。
AIカメラを用いた店舗分析は、一度設定したらそれで終わり、というものではありません。
AIカメラで取得したデータから、自社の店舗がどの程度効率的に運営されているのか、またどの部分に改善の余地があるのか等を明確に理解する必要があります。
その後は、トラッキングしたKPIの数値の結果に基づいて戦略を調整し、施策運用を繰り返し、パフォーマンスを最適化していくことが重要です。
たとえば、特定の時期の売上が低下した場合、ライバル店のセール施策等の外部要因、店内におけるスタッフのパフォーマンス状況などの内部要因の双方から原因を調査し、商品の売り方(商品価格)の見直しやプロモーションの強化、スタッフ配置の最適化や接客サービスの改善など、データをもとにあらゆる原因を探り、対策を講じていく必要があります。
まとめ
本記事を通じて、小売店の売上につながる主要KPIと、AIカメラを用いた店舗分析の必要性について理解していただけたことと思います。
顧客行動をリアルタイムで追跡し、購買傾向を定量的に調査したり、マーケティング戦略やプロモーション施策が主要KPIへ与える影響などを正確に判断できるようになれば、売上向上につなげることができます。
店舗計測ツールの導入をし、データから経営戦略の見直しや店舗のパフォーマンス向上を目指したい企業様は、ぜひGROOOVEにお問い合わせください。
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